健康・福祉・教育

シリーズ「現場から」その10

登録日:2011年3月22日
子ども未来部 子ども家庭相談課

子どもを信じ、向き合う
 ~保健室から思うこと~

 先日、あるところで、機敏に、実に生き生きと身体全体を使って自分を表現し、舞台に立つ彼の姿を見た。何年か前、小学生の彼は人前で話すことが苦手で、促され、待ってもらえば待ってもらうほど、体が硬くなってしまう事がしばしばだった。うまく自分の気持ちを表すことができず、大声で泣き叫んでしまう事もあった。聞くところによると、中学校生活もすんなりとはいかなかったようだ。その後の彼のことはあまり知らない。
 彼にどんな出会いがあったのだろう・・・。その日、目の前で躍動する彼の姿に私はくぎ付けになり、感動した。
 職業柄、困っている子ども達に関わることが多い。「けがをした」「体がしんどい」といった訴えのほか、教室で友達や教師と上手くいかない、あるいは「家庭の事情」を背負い込んでつぶれそうな子も保健室に来る。彼もその一人だった。保健室では、少し時間の枠を外し、横に腰かけてゆっくりしゃべってみる。話さない時は一緒に絵を描いたり、筆談したり、ぬいぐるみを介して話してみたり。何に困っているのか、どうして欲しいのか、根本のところまで無理に聞き出すことはなく、聞いたところでどうしようもないのかもしれない。これでいいのかと迷いながら、今、この子の心に温かく灯火がともり、元気が出たらそれで良しかと思う。
 「世の中のスピードが上がっても、人間が早く成長するわけではないのに・・・」先日の新聞に載っていたある大女優の言葉。小学校に入っても、中学校に進学しても、難しいパソコンの操作をやってのけたとしても、周囲の大人は子どもと目を合わせ語るということに手を抜いてはいけない。ゆっくりと関わった事が少しの水や肥やしになればと願っている。そして、あの時の子ども達は今、人生の舞台に立って力いっぱい生きているのだと信じ、今日も子ども達の向き合っている。


(小学校養護教諭)

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